DATE: 2019-03-15
調布市の空家対策
今回は調布市の空家に対する取り組みや構想についてお調べしました。
調布市では、将来的に空家等が増加していくことを想定し、空家化させない「予防」を共通テーマに、様々な取り組みを行っています。
市内関係団体・民間企業・大学・研究機関・金融機関など「産学官金」と連携しその実現を目指しています。
また、多様なステークホルダーとの連携により、総合的・効果的に空家対策の試験的な事業展開を行いながら、対策計画の策定などを検討しています。
調布に限らず空家は日本全国でどんどん増えていて社会問題化しています。
その数820万戸で全国の住戸の13.5%を占めています。
※平成25年度調査
実際には地方都市の方が顕著でして、少子高齢化や人口減少も伴って空家率に拍車がかかっています。
空き家が抱えるリスクとして、
・景観悪化などの地域や周辺への悪影響
・犯罪等の温床化
・住宅価値の減少
などが挙げられます。これらは「外部不経済」と呼ばれ、当事者でない誰かに経済的負担や不利益が及ぶ状況を生んでいます。
また、建物が残っていながら解体もされず、利用もされないことでその場にある土地と建物が有効活用されない機会損失が発生します。賃貸物件にすれば貸せるようなものも眠っていたりします。
これは行政側からみても有効活用されないことにより、住民税や法人税等が入ってこず機会損失を生んでいます。
ではなぜ空き家が増えたのか?
その原因はいろいろあると推定され、そのいくつかの要因として、
①中古住宅の流通比率の低さ
②相続トラブルによる権利関係の複雑化
③固定資産税の優遇
などが挙げられています。
①は日本人の新築に対する「思いの強さ」であったり、戦後国策として住宅の新築を後押しする施策が原因であると言われています。現在でも新築に対する優遇策があったりします。
②相続が「争族」になってしまい、家の処分が出来ず共有名義となり当事者が亡くなりさらに相続され・・・と言った具合に権利者が増えニッチもサッチもいかなくなってしまうケースです。これは本当に始末に悪いケースで共有者全員の同意を得るのは至難の業となります。
③は建物が建っていることにより固定資産税が更地の6分の1となるため、とりあえず建物をそのままにしてしまうパターンです。
しかし2015年に施行された空家対策特別措置法により「特定空家」に指定されると、この特例の適用を受けられなくなりました。
この他にも様々な要因がありそういったものが相まって空家率の増加が加速しているのだと思います。
調布市では空家であることによる不利益や空家売却によるメリットなどを上記のような冊子にして空家対策を啓発しています。
個人的には上記の空家売却による譲渡所得3,000万円特別控除が空家を減らしていく妙案かと思っています。これは最大で約600万円分の効果があり、古い建物(取得価格が低い建物)ほど効果があります。
しかしまだ要件がたくさんあったり、時限的であったりすのでもう少し緩和出来ると良いかと思っています。
空き家対策は相続や税金が絡んで複雑なので、きちんとした知識を得てお客様にうまくあてはめて活用出来るように勉強してまいります(^_^;)